Event：モノ語り vol.4【ジーシガーミから観る沖縄】6月30日（月）

沖縄には、遺骨を納めるための「ジーシガーミ（厨子甕）」と呼ばれる入れ物（骨壺）があります。石や陶器などで作られたこのうつわは特殊な造形と多彩な色合いで見る人を魅了する力があります。

ジーシガーミは単なる骨壺としてではなく、死者が帰る「もうひとつの住まい」としてつくられてきました。ジーシガーミは、お墓、仏壇、他界観、お盆行事といった沖縄の伝統文化に深く根差しており、背景には「二墓制」と呼ばれる独自の埋葬文化があります。ジーシガーミのかたちや装飾は、時代や地域、家格によっても異なり、その多様性は沖縄文化の奥行きと豊かさを静かに語ってくれます。

一方でジーシガーミは、本来の骨壺という昔の用途から離れ、現在では洋間用火鉢、傘立て、花活けなどの展開もみられます。鑑賞審美的要素も含みながら沖縄の風土や慣習を愛する幾多の人達から支持されているのです。

今回は、そうしたジーシガーミの造形や独自性、魅力の話を中心としながら、このうつわに込められた思いと、そこに映し出される沖縄の死生観を歴史文化的背景とともにお話ししたいと思います。

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語り手：松井 健
1949年　大阪生まれ。
東京大学　東洋文化研究所教授を2015年退官。
東京大学名誉教授／金城次郎館（ 沖縄県南城市） 館長／芦屋大学　特任教授／京都大学　理学博士
多岐にわたる趣味と深い知識を持ち、特に日本の工芸品に対する愛情が深い。

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モノ語りとは…
世の中の風潮は断捨離ですが、モノで豊かにする人も多いようです。私もその一人。ある人にはごみのように価値のない物であっても、別の人にとっては充足を得るかけがえの無いものとなります。プライスタグには現れないモノの魅力を感じられるようになった時、人は１つ豊かになったと言えるのかもしません。
「モノ語り」はフィールドワークを通して世界中のモノを見てきた松井健さんが自分の好きなモノについて熱く語ってくれる場です。 何かに熱狂し、突き詰めた人の話ほど面白いものはありません。話を通して、モノの新たな価値や魅力を発見し、あなたの日常に彩りを加えてください。お気に入りのカップでコーヒーを飲みながら、語り手の情熱に触れましょう。

※できればお気に入りのカップを1つお持ち下さい。お気に入りのカップでコーヒーを飲みながら楽しんでいただけると嬉しいです。なければこちらでお貸し致します。
使い終わったカップは帰る前にこちらで洗いますので、ご安心ください。

【開催場所】
OBSCURA COFFEE ROASTERS Home
〒154-0024 東京都世田谷区三軒茶屋1-36-10
【開催日時】
6月30日（月） 19:00-20:30